子どもの近視進行抑制の話

【子どもの近視進行抑制の話】

近視には、主に軸性近視と屈折性近視の2種類があります。

一般的に近視進行抑制は、軸性近視に対して行われています。

軸性近視は、成長に伴い眼球が奥側へ伸展することによって光の焦点が眼球後面の網膜中心部まで届かなくなることで進行します。

眼鏡による近視矯正は、凹レンズを通すことによって網膜中心部まで届かなくなった光の焦点を網膜上に結びます。

この場合、網膜中心部のみに焦点が合わされる為、その周辺部はピントが合っていない状態になります。

生物の目には常に正視に保とうとする働きがあり、主に周辺網膜によりコントロールされているそうです。

眼鏡によって周辺網膜に焦点が合わない状態になると、その部分の細胞を網膜後方に発達させることでピントを合わせようとする為、眼球が伸びることになります。

網膜周辺部に焦点を合わせることで、眼球伸展をコントロールすることに繋がると考えられています。

オルソケラトロジーレンズ装用は、角膜中心部から周辺部にかけて形付けることで周辺網膜にも焦点が合うとされています。

オルソケラトロジー治療における近視進行抑制効果については国内外で研究が進められています。

学会等で有効性も発表されており、これからに期待が高まっています。

ぜひオルソケラトロジーをご検討いただけたらと思います。

オルソケラトロジーは、遠視には対応しておりませんが、近視でお困りの方には大いに有効です。
SNSにもオルソケラトロジーに関しての情報を投稿してますので下記URLからご覧ください。


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東京新聞にオルソケラトロジーの記事が掲載されました!

寝る時レンズ 視力矯正 「オルソ」子どもの近視進行抑制も期待
(ネット記事をご覧になる方はクリックしてください)

夜間に専⽤のハードコンタクトレンズを装着し、⾓膜の形を変えることで視⼒を矯正する「オルソケラ
トロジー」(オルソ)。効果は⼀時的で、視⼒を恒久的に回復させることはできないが、⼦どもの場合は
近視の進⾏を抑える効果が期待できるとの研究もあり、近年、注⽬が集まっている。ただ、普通のコンタ
クトレンズより汚れやすいほか、夜間に装着するため⽬のトラブルを引き起こす危険性があり、眼科医の
定期的な検診が必要だ。

近視は、眼軸⻑と呼ばれる⾓膜から網膜までの⻑さが伸びるなどし、網膜上で焦点が合わずに視界がぼ
やける状態。オルソは中央部分が平らな特殊なコンタクトレンズで、装着するとレンズ下の⾓膜上⽪に圧
⼒がかかり、⾓膜の形を変えることで焦点が合うように矯正する。夜間に装着し、寝ている間に視⼒を矯
正するのが⼀般的な使い⽅だ。

「昼間は裸眼で過ごせるので、ドッジボールやサッカーなど眼鏡では危険なスポーツも不安なくでき
る」。オルソに詳しいセントラルアイクリニック(名古屋市中村区)の渥美⼀成院⻑(63)は話す。
ただ、⾓膜はそのままにしておくと数⽇で元の形に戻ってしまうため、回復した視⼒を保つには毎晩、
装着を続ける必要がある。軽度の近視であれば、多くの患者が⼀週間で裸眼⼀・〇ほどに回復するとい
う。

オルソは⽶国で考案され、⽇本では⼆〇〇九年、厚⽣労働省が承認した。保険適⽤外の⾃由診療で、両
⽬の場合は最初の⼀年間でレンズ代を含めて⼗万〜三⼗万円ほどかかる。
普通のハードコンタクトレンズに⽐べ酸素透過性が⾼く、レンズが汚れたり傷ついたりしやすいという
デメリットも。寝ている時に装着するため、毎⽇のケアを怠ると細菌が増殖して⾓膜感染症を引き起こす
リスクもある。普通のコンタクトレンズ以上に清潔に保つ必要があり、⽇本コンタクトレンズ学会はガイ
ドラインで、使⽤する場合は三カ⽉ごとの定期検診を義務付けている。
⼀⽅で、⼦どもの場合、オルソの装着で近視の進⾏を抑える効果が期待できるとの研究も。京都府⽴医
科⼤などがオルソ治療を⼆年間受けた⼩学⽣⼆⼗四⼈を調べたところ、オルソを装着しない場合よりも、
近視につながる眼軸⻑の伸びが少ないとの結果が出た。「中央だけにピントを合わせる眼鏡やコンタクト
レンズと違って、オルソは周辺もピントが合っているので⽬への負担が少なく、近視の進⾏を抑えられる
と考えられている」と渥美院⻑は話す。

⽶国では臨床試験で⼦どもの近視抑制効果が確認され、⽇本でも研究が進むことへの期待が膨らむ。同
クリニックではオルソによる矯正をする患者の七割は⼗⼋歳未満だ。
名古屋市の⼩学三年の⼥児(8つ)も四年前から毎晩、⺟親(39)にオルソレンズを着けてもらって
から寝ている。近視で〇・⼀程度だった視⼒は、オルソを外した後は両⽬とも⼀・〇を維持している。⺟
親は「学校のプールや習っているダンスやバレエも不⾃由なくできている。近視もそれほど進んでいな
い。今後もオルソで矯正を続けたい」と期待を寄せる。
ただ、⼦どもの場合は特に扱いに注意が必要だ。渥美院⻑は「特に幼い⼦どもは、装着やレンズの管理
に保護者のサポートが⽋かせない。医師の指導に従い、定期検診で異常がないかを確認することが⼤切」
と話した。

引用元:東京新聞

眼の構造について

【眼の構造】


眼の構造はカメラに似ています。

カメラではレンズを通った光がフィルムに焦点を結びます。人間の眼には角膜と水晶体という二つのレンズがあります。また、網膜と呼ばれるフィルムのように光を感じる膜が眼の後部あります。

正視(近視も遠視もない眼)では遠方からくる光が角膜と水晶体をとおり網膜に焦点を結びます。

近視の眼では、遠方からきた光は網膜より前で焦点を結びます。この原因は主に眼軸長と呼ばれる角膜から網膜までの距離が長くなり過ぎることであると考えられています。近視の眼ではその程度に応じて、焦点距離が異なります。強い近視であるほど手元の物にしか焦点が合わなくなります。

遠視の眼では、遠方からきた光は網膜より後ろで焦点を結びます。したがって、目が調節を行なわないとどこにも焦点が合いません。若年者は調節力がありますので多少の遠視でも遠近とも良く見えますが加齢により調節力が低下するとまず近見がぼやけ、やがて遠見もぼやけます。
よって加齢とともに老視(老眼)が始まるまでは遠方のものがはっきり見える場合、近くもはっきり見ることができます。このオートフォーカス機能を眼の調節と言い、調節力が衰えることを老視(老眼)と言います。


オルソケラトロジーは、遠視には対応しておりませんが、近視でお困りの方には大いに有効です。
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近視進行抑制治療の論文のご紹介

近視進行抑制治療の論文

 
今回、ご紹介する論文にはオルソケラトロジーと0.01%アトロピン点眼液の併用による子どもに対する近視進行抑制効果の有意性が述べられています。
  
Japanese Journal of Ophthalmology(JJO)に掲載された論文下記の通りです。
 
「Additive effects of orthokeratology and atropine 0.01% ophthalmic solution in slowing axial elongation in children with myopia: first year results」
   
今後のオルソケラトロジーを用いた近視進行抑制の研究に注目です。